エアライン, 空港, 解説・コラム — 2016年11月3日 08:00 JST

【スクープ】ピーチ、札幌・仙台から上海就航へ

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 ピーチ・アビエーション(APJ/MM)は、拠点化を目指す札幌(新千歳)と仙台から、上海へ就航する意向を固めた。同社の井上慎一CEO(最高経営責任者)が11月2日、Aviation Wireの取材に対して明らかにした。

札幌と仙台から上海へ就航するピーチ=16年10月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ピーチは11月1日夜に関西空港から、2日深夜に羽田から上海線を開設。機材はエアバスA320型機(1クラス180席)で、いずれも週5往復で運航を始めた。早ければ2017年3月にも週7往復化できるよう、中国当局と調整を進めていく。

 現在の拠点は本拠地の関西と那覇の2空港で、那覇は2014年7月19日に第2拠点化した。仙台空港は2017年夏ごろに第3拠点化し、新千歳空港は2018年度に第4拠点化する。ピーチは国内・国際線を問わず、片道4時間以内の路線を運航しており、拠点化により機材を夜間駐機出来るようにして機材稼働率を高め、路線網を柔軟に組めるようにする。

 仙台と札幌から就航することで、ピーチの上海路線は4路線に増える。仙台にはかつて、中国の文豪で思想家の魯迅(ろじん)が留学。仙台医学専門学校(現在の東北大学医学部)で学び、晩年を上海で過ごした。井上CEOは「2つの都市を結ぶストーリーがあることが面白い。地方と海外を結ぶことで、地方創生に貢献したい」と狙いを述べた。

 札幌へは関空から1日5往復、成田から1日1往復の2路線が乗り入れている。第4拠点化時には、北海道内を結ぶ地域間路線を開設する計画。上海線を就航させることで、中国人に人気の高い北海道への渡航需要を取り込む。

 ピーチは2012年3月1日、1路線目となる関西-札幌線と2路線目の福岡線を同時開設。初便は札幌行きMM101便だった。仙台へは2013年4月12日に国内6都市目として就航し、LCC初の東北地方への乗り入れとなった。

 羽田と関空からの上海線開設により、ピーチは国際線12路線と国内線14路線の計26路線を、17機のA320で運航。11月中には18号機(登録番号JA818P)の受領を予定している。東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までには、機材数を現在の約2倍に増やす計画で、35機程度になる見通し。

関連リンク
ピーチ・アビエーション

上海就航
「上海はデカい大阪」特集・ピーチ井上CEOに聞く、次の一手(16年11月7日)
ピーチ、羽田から上海就航 国内LCC初、関西からも(16年11月2日)

札幌拠点化
ピーチ、新千歳を第4拠点化へ 18年度、道内路線や国際線開設(16年10月20日)
ピーチ初便、定員下回る162人乗せ出発 “コンビニ”のように認知されるか(12年3月1日)

仙台拠点化
ピーチ、仙台拠点化へ 国際線就航も(15年3月9日)
ピーチ、仙台線開設 LCC初の東北就航(13年4月12日)

那覇第2拠点化
ピーチ、那覇-福岡線就航 第2拠点化で東南アジア需要獲得へ(14年7月20日)

特集・黒字ピーチが目指す道
前編 井上CEO「体験する価値求めている」(16年6月18日)
後編 「仙台は国内線で終わらない」(16年6月20日)