エアライン, 官公庁 — 2012年10月16日 16:45 JST

国交省、ソラシドを厳重注意 航空日誌に機長署名忘れ

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 国土交通省は10月16日、スカイネットアジア航空(ソラシド エア、SNJ)が搭載用航空日誌に機長が署名を忘れ、後続便も機長署名がない状態で運航していたとして、厳重注意を行ったと発表した。

国交省から厳重注意を受けたソラシドエア=12年5月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 署名忘れが発生したのは、9月12日の羽田発宮崎行きLQ61便。同便の機長が運航終了後、搭載用航空日誌に必要事項を記入した際、署名を忘れた。折り返しで後続便となる宮崎発羽田行きLQ64便を機長署名がない状態で運航した。12日の乗務後、機長と整備士が合意の上で代理署名を整備士が行い、14日までの3日間に正式な機長署名がないまま計11便を運航した。

 SNJによると、12日はLQ64便と同じ羽田行きで1便前のLQ62便が機材トラブルで欠航。62便の乗客が64便へ乗り換えたため、フライトプランの変更が生じていたという。署名忘れが発生した背景には、イレギュラー運航への対応に気を取られていた可能性があるようだ。

 国交省では航空法第58条に抵触することに加え、SNJが2009年5月19日に機長と整備士が搭載用航空日誌への署名を忘れたことで厳重注意を受けており、その後も機長署名忘れが6回起きている点を問題視した。

 SNJは是正措置を検討後、10月30日までに国交省へ文書で報告する。国交省は、今後も同様の問題が発生した場合には、さらに厳しい処分を行う可能性があるとしている。SNJでは、「真摯にお詫び申し上げます。ヒューマンエラー対策をより具体的に進めていきます」とコメントした。

関連リンク
ソラシド エア
国土交通省

【お知らせ】
SNJへの取材に基づき3段落目を追加し、5段落目にSNJのコメントを加筆しました。(2012年10月16日 17:21 JST)