北海道エアシステム(HAC、NTH/JL)は冬ダイヤ初日となった10月30日から、日本航空(JAL/JL、9201)とジェイエア(JAR/XM)の2社との共同引受を開始し、JAL便名での運航を始めた。共同引受の開始初便となった函館行きJL2741便(サーブ340B型機、登録番号JA02HC)は午前7時50分、札幌の丘珠空港を離陸した。
共同引受の開始により、便名をこれまでの「HAC/HC」から「JAL/JL」に変更。チェックインや空港での空席待ち、優先搭乗などをJALと統一した。HACカウンターで出発60分前から受け付けていたチェックインは、JALグループ国内線のチェックインカウンターで、空港カウンター営業開始時間から受け付ける。また、搭乗用の2次元バーコードを表示してそのまま搭乗口を進める「タッチ&ゴー」も利用できるようになった。
自動チェックインとタッチ&ゴーは、丘珠と函館、釧路、三沢で利用できるが、奥尻と利尻では使用できない。
JL2741便に搭乗する5人の利用者は、午前7時すぎにチェックイン。通常の有人カウンターのほか、自動チェックイン機を利用する人も見受けられた。HACの桑野洋一郎社長は「函館路線はビジネス需要が多い。きょうは日曜日で利用者が少ない」と話した。
空港での空席待ちはJAL便同様、出発空港の自動チェックイン・発券機やチェックインカウンターで受け付ける。
優先搭乗もできるようにした。JALマイレージバンク(JMB)ダイヤモンドと、JMBの上位会員制度「JALグローバルクラブ(JGC)」プレミア、JMBサファイア、JGC、JALが加盟する航空連合「ワンワールド・アライアンス」の「エメラルド」と「サファイア」の各会員が利用できる。
マイレージは全便が積算対象になった。これまではHAC運航便のうち、JALの便名が割り振られた便のみが対象だった。
HACは丘珠を拠点に函館と釧路、利尻、三沢へ就航。函館からは奥尻と三沢に運航している。
JALは経営破綻後の2011年3月、HACの経営から撤退。2014年10月に筆頭株主の北海道などからHAC株を売却時と同額の1株3万1500円で買い戻し、出資比率を14.49%から過半数を占める51.23%に引き上げ、再子会社化を完了した。
2015年6月には、JALグループの航空会社としてのブランド統一に伴い、HACもロゴマークを鶴丸に変更。丘珠と利尻、奥尻の空港カウンターも鶴丸デザインに改め、機体も鶴丸塗装にそろえている。
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