日本航空(JAL/JL、9201)が展開する、女性をはじめとする多様な人材活用を目指す女性活躍支援の研究組織「JALなでしこラボ」は10月25日、2期目を迎えた。新たなメンバーでスタートし、1期目での提言を具現化していく。同日、東京・品川のJAL本社で2期生のキックオフを開催した。
2期目はこれまでの研究チームを1つ増加させ、4チーム制とする。また、メンバーも増強した。通常の研究チームのほか、1期メンバーが提言した施策を具現化する「Future Designチーム」を新設。1期目は6人1組の3チーム制で、メンバーは18人だったが、2期目は7人1組で4チームで計28人で展開する。各チームにはメンター(サポート役)が1人ずつ加わる。
2期目のテーマは「BIAS(バイアス)とVISION(ビジョン)」で、1期目を深掘りして展開する。BIASは「考え方の偏り、先入観」などのような意味で、「自由な発想」の対極と位置づけた。また、どのようなビジョンでダイバーシティ(多様性)を進めるかをテーマに研究していく。
なでしこラボの担当役員を務める大川順子専務は、「1期では意識や継続性、ポジションなど(のテーマ)をメンバーが考えた」と述べ、「考え方が変化していった。今期は実績に結びつけたい」とした。大川専務は、実績は女性管理職数の増加などだけではなく、商品やサービスに活かすことだと話した。
2期目のメンバーに対しては「みなさん忙しい中、時間を費やすことになる。1人ひとりの成長が、会社の成長につながる」と期待感を表した。
なでしこラボは2015年9月に設立。子育てと仕事の両立など、JALグループ全体で男女を問わず組織横断的に課題の共有や人材活用の可能性を探り、研究成果をグループで共有する。
キックオフ後は、働く女性の声を発信するサイト「イー・ウーマン」の佐々木かをり社長が講演。男女間の経済格差「ジェンダーギャップ」が2014年に日本が104位となったことなどを紹介した。
さらに佐々木社長は、若い女性と老婆に見えるだまし絵を例に挙げ、「視点のダイバーシティ」を説明。「視点が多様になることが大切」と述べた。
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