エアライン, 空港 — 2016年10月20日 23:15 JST

JAL接客コンテスト、新千歳接客No.1は戸田さん 仲良し同期と本選へ

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 日本航空(JAL/JL、9201)は、空港で働く地上係員(グランドスタッフ)の接客スキルを競う「空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」の北海道地区大会を、新千歳空港で開いた。5回目を迎えた今回は、11月に羽田空港で開かれる本選に出場する新千歳代表を選出する予選会として開催するとともに、北海道内5空港の本選出場者も加わり、技を競った。

 新千歳空港からは8人が、函館と旭川、女満別、釧路、帯広の5空港からは各1人の、計13人が出場。優勝は新千歳の戸田詞央里さん、準優勝は同じく新千歳の佐藤蒼さんが選ばれ、11月の本選で新千歳の初優勝を目指す。

JALの「空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」の北海道地区大会で優勝した戸田さん(中央)と準優勝の佐藤さん(中央右)、審査員特別賞の狩野さん(中央左)、グッドサービス賞の櫻岡さん(右)、アナウンス賞の石島さん=16年10月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

オール北海道で競う

 JALグループ北海道地区の地上係員は320人で、このうち新千歳空港では236人が働く。北海道地区大会に参加した5空港は、函館が24人、旭川が18人、女満別が15人、釧路が14人、帯広が13人となっている。新千歳のチェックインカウンターや搭乗口での業務は、JALの子会社JALスカイ札幌が担当している。

 過去4回のうち北海道地区の最高位は、2013年2月に開かれた第1回大会で新千歳空港の田村梓さんが獲得した準優勝。19日に選出された新千歳の代表2人を含む北海道地区の出場者7人は、海外空港を含めた代表者が接客技術を競う本選での初優勝に向けて、オール北海道体制で挑む。

 10月19日に開かれた北海道大会では、イレギュラー運航の「アナウンス審査」と、チェックインカウンターでの接客技術を審査する「ロールプレイ審査」が行われた。1人の持ち時間はアナウンスが4分、ロールプレイが8分で、時間を超過した場合でも最後まで審査を実施した。

 アナウンス審査は、日本語と英語によるもので、カウンターをオープンした際の案内、天候不良などによる遅延発生時の搭乗口前でのアナウンス技術と内容を審査。中には中国語でのアナウンスを加えた出場者もいた。

 正しさやわかりやすさ、再びJALを使いたい、他人に薦めたいと感じるかなど5項目が審査された。

花火を持っていきたい女の子

新千歳空港で開かれたJALの「空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」の北海道地区大会=16年10月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ロールプレイには、3人の乗客役の社員がチェックインカウンターに並んだ。1番目は出張する女性客、2番目は祖母の家に向かう一人旅の女の子と見送りの父親、3番目は出場者が親子を対応中に並び、急いでいる女性客が搭乗した。

 1人目の女性客を応対するシナリオでは、スマートフォンで会話しながらカウンターへ向かう際、脇に挟んでいた英字新聞を落としてしまうところから始まった。国際線担当の出場者の際は乗客がビジネスクラスへの、国内線では上級席のクラスJへのアップグレードを求め、希望する席が窓側か通路側かなどを確認して応じていた。

 2組目の親子は、初めて飛行機に乗る一人旅の女の子が花火を持って祖母の元へ向かおうとするシナリオ。ミッキーマウスのシャツを着た女の子役も登場し、乗客の置かれた状況などを瞬時に判断して最善の対応が出来るかが審査されていたようだった。

 父親役の社員は、出場者と女の子役とのやり取りに応じて、「花火は1本でもダメですか」などと会話をはさんで会場の笑いを誘い、緊張気味の出場者の気持ちをほぐしていた。

 一方、親子の後ろに並び、手続きを急ぐ女性客役の社員、国際旅客グループの大友一絵さんは、イライラしている様子を無言で演じて出場者に緊張感を与え、表彰式では社員役の演技で1位を獲得していた。

仲良し同期が本選へ

JALの「空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」の北海道地区大会で優勝し挨拶する戸田さん=16年10月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 接戦が繰り広げられた北海道地区大会では、優勝と準優勝、審査員特別賞、グッドサービス賞、アナウンス賞を選出。優勝した戸田さん(プレミアサービスグループ)と準優勝の佐藤さん(新千歳・旅客第3グループ)のほか、審査員特別賞は狩野吏咲(かりの・りさ)さん(新千歳・旅客第3グループ)、グッドサービス賞は櫻岡優梨惠さん(函館)、アナウンス賞は石島知奈美さん(女満別)が選ばれた。

 戸田さんと佐藤さんには、代表の証となるティアラとガウン、賞状が贈られた。

 戸田さんが所属するグループは、6月にオープンしたJALの最上級ラウンジ「ダイヤモンド・プレミアラウンジ」や「サクララウンジ」を担当。入社2年目の戸田さんは、6月に国内線担当から、プレミアサービスグループへ異動となった。

北海道地区大会で準優勝し挨拶する佐藤さん=16年10月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 表彰式で優勝を告げられると、戸田さんは大粒の涙を流して喜んだ。昨年優勝し、新千歳代表のひとりに選ばれたのは、同じグループの先輩である河田歩実さん。代表の証となるティアラとガウンを贈るプレゼンターは、河田さんが務めた。ともに本選に出場する佐藤さんには、昨年準優勝で本選に進んだ泉樹里さんから、ティアラとガウンが贈られた。

 戸田さんは、「同期で一番仲のよい佐藤さんと、一緒に本選へ進むのが夢でした。入社2年目でかなえられてうれしいです」と涙を浮かべながらあいさつした。

 本選の会場は、羽田空港の新整備場地区にある地上係員の訓練施設。学生時代からコンテストの存在を知っていた戸田さんは、「入社直後の訓練が終わる時に、絶対に本選出場者としてここに帰ってこようと思いました」と話す。乗客に対して「気づけるものが足りなかった」と悔しがる戸田さんは、同期の佐藤さんとともに、11月の本選に挑む。

 前回第4回大会では、福岡空港で国内線を担当する田島由佳里さんが優勝。福岡の優勝は、第2回以来2度目だった。

ロールプレイ審査で親子連れを応対する戸田さん=16年10月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ロールプレイ審査で親子連れを応対する戸田さん=16年10月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ロールプレイ審査で親子連れを応対する佐藤さん=16年10月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

出場者を見守る同僚たち=16年10月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

優勝を告げられて涙ぐみ手を顔に寄せる戸田さん=16年10月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

優勝した戸田さん(右)にティアラを贈る昨年優勝した河田さん=16年10月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

北海道地区大会に出場した(前列左から)グッドサービス賞の櫻岡さん、準優勝の佐藤さん、優勝の戸田さん、審査員特別賞の狩野さん、アナウンス賞の石島さん、(後列左から)釧路の徳永真美子さん、新千歳(国際)の前田千香子さん、新千歳(国際)の五十嵐麻友子さん、新千歳(国内)の中山梨香さん、新千歳(プレミアサービス)の中畑澄華さん、新千歳(国内)の山本梓さん、旭川の古山実鈴さん=16年10月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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