東京・有明で開催中の「2016年国際航空宇宙展」(JA2016)で10月13日、ボーイング・ジャパンのブレット・ゲリー社長が講演し、機体製造ラインはトヨタ自動車(7203)から学んだと述べ、日本企業との関係性を強調した。
ゲリー社長は、「ボーイングの無駄のない、エラーの少ない生産ラインは、1990年代にトヨタから学んだ」と話した。737型機を製造する米シアトルのレントン工場は、当時の月産17機。トヨタ参考後は42機に拡大し、将来は52機に増加する。ゲリー社長は「レントン工場は記念碑のようなところだ」とした。
ボーイングと日本の関係は、767の製造を開始した40年前から構築している。当初、日本とのパートナーシップは「ボーイングの航空宇宙部門のリーダーシップが失われる」との批判があったという。ゲリー社長は40年前を振り返り、「(日本と組んだのは)正しい判断だったと言える」と話した。
ボーイングは日本企業150社以上をサプライヤーとしている。ゲリー社長は「現在は米国以外では日本企業との関係が最も深く、エンジンなどを除き、これまでに50億ドル以上の部品を導入している」と説明。「問題が発生すると、肩を並べて解決する」とし、金額以外での結びつきの強さも強調した。
また、エアバスでビジネス開発や国際的な関係を構築する部門の、フレデリック・ポシェ副社長も登壇。ポシェ副社長は、機体がこれまでの50年間で「騒音を90%抑え、燃費を70%改善し、死亡事故は90%減少した」とし、技術の進歩を紹介。今後はバイオ燃料など非従来型の燃料を導入し、2050年までに二酸化炭素の排出量を2005年と比較し50%削減するとした。
日本の産業には「信頼性が高く、運用費を抑えられるものを期待する」とし、革新的なシステム開発への期待感を述べた。また中長期的には「次世代の航空機について、『ゲームチェンジャー』となり得る技術を求める」とし、エアバスと日本で共同開発したいとする意向を示し、「航空業界だけでなく、非航空業界など日本の産業と対話したい」と話した。
ボーイングとエアバスのほか、米GEアビエーションや仏サフラン、同社傘下のスネクマ、英ロールス・ロイス、米プラット・アンド・ホイットニーなどが、自社製品の紹介や、日本企業との関係性などを講演した。
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