三菱航空機が開発を進めている国産ジェット旅客機「MRJ」の飛行試験初号機(登録番号JA21MJ)が9月26日午後1時28分すぎ、県営名古屋空港(小牧)から飛行試験の拠点となる米国モーゼスレイクへ向かうため、経由地の新千歳空港へ飛び立った。米国へ向かうフェリーフライト(空輸)は3度目の挑戦となった。
フェリーフライトのルートは、新千歳空港で給油後、ロシアのカムチャツカ半島、米国のアラスカを経てモーゼスレイクのグラントカウンティ国際空港へ北回りで向かう。
8月27日にフェリーフライトへ出発した際、2日連続で空調システムの監視装置に不具合が起きたことから、改修を進めてきた。今回の出発前日となった9月25日には、小牧上空を20分間ほど飛行し、機体の確認作業を行った。
三菱航空機では9月25日、飛行試験4号機(JA24MJ)が初飛行に成功。5機ある飛行試験機のうち、初号機と2号機(JA22MJ)に続き、3機が飛行試験に投入できるようになった。4号機は内装を施し、インテリアや騒音、防氷試験を実施する。
年内に初号機から4号機までの4機をモーゼスレイクへ持ち込む計画を進めており、4機のうち残る3号機(JA23MJ)は、10月に初飛行する見通し。
*新千歳空港へ到着時の記事はこちら。
関連リンク
三菱航空機
3度目のフェリーフライト挑戦
・MRJ、米国へ到着 フェリーフライト成功(16年9月29日)
・3度目の正直、MRJが新千歳出発 米国へロシア経由(16年9月27日)
・MRJ、新千歳に到着 あすにも米国へ(16年9月26日)
前日に試験飛行
・MRJ、初号機も試験飛行 渡米秒読みに(16年9月25日)
8月に2日連続引き返し
・MRJの2日連続引き返し、同じ空調監視装置に不具合(16年8月30日)
・MRJ、再び名古屋へ引き返す 昨日と同じ故障検知(16年8月28日)
・MRJ、名古屋出発しフェリー再挑戦 新千歳経由で米国へ(16年8月28日)
・MRJ、名古屋へ引き返し 空調に異常か(16年8月27日)
・MRJ、米国拠点向け名古屋出発 新千歳経由で(16年8月27日)
4号機が初飛行成功
・MRJの4号機、初飛行成功 初号機隣に帰着(16年9月25日)
・MRJ、4号機が初飛行 名古屋から試験空域へ(16年9月25日)
ANA塗装の5号機
・MRJのANA塗装試験機、初飛行17年初めに 初号機は9月米国へ(16年9月12日)